活用事例集2012
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14自己紹介コンテンツで学生間の交流をスムーズに 木村准教授の担当するゼミは、3年生と4年生との合同で行っていることもあり、30人弱もの学生が所属している。ゼミにしては大人数のため、学生同士が互いの顔と名前を覚えるのには時間がかかってしまう。そこで、2011年度から学期始めの宿題として、各自の自己紹介用コンテンツを作らせてみることにした。そこで利用したのが、「Xpert」だ。 「Xpert」では、Webカメラやマイクを使って自分が話す様子を撮影し、PowerPointなどで作成した資料と組み合わせて動画コンテンツを制作できる。当該ソフトをインストールするのみで、学内外からの利用が可能だ。木村准教授のゼミでは、学内の演習室にある5台のPCにインストールしておいた他、各自が自宅のPCからも使えるよう、インストールや使用法などについて、担当の職員を呼んでレクチャーしてもらった。学生個人のPCに入っているOSのバージョンなどによっては、インストールがうまくいかないなど多少つまずいた学生もいたようだが、担当者にサポートしてもらった結果、最終的にはどの学生も問題なく使うことができたという。 「自己紹介は、自分が興味のあるものを紹介するなど、自由な内容で作らせました。5分間程度の短いもので可としましたが、中には凝った長編を作ってくる学生もいました。学生の個性が垣間見えて、なかなか良かったと思います」。ゼミのグループ発表用に動画コンテンツを共同作成 制作期間は、3年生は1週間、4年生には就活中であることも考慮して2週間とした。自分が作成したコンテンツをアップロードした後、コメントをつける練習も兼ねて、他の学生のコンテンツについて、1人分ずつそれを見た感想を書き込ませることとした。「成績の対象としなかったこともあり、コメントを付けない学生もいましたが、学生同士の会話を聞いている限りでは、他人の自己紹介もほぼすべて見ていたようです。これを見たおかげで他の学生の顔と名前を覚えられたと、学生たちには2010年度よりCourse N@viから「Xpert」という動画コンテンツ作成ツールがダウンロードできるようになった。木村准教授は、ゼミにおける自己紹介やグループ発表を行う際に、このツールを使って動画を作成させている。学生たちは、自らが発表する姿を録画することで、自分の発表の様子を客観的に見ることができ、プレゼンテーションのスキルアップに大きな効果を上げているという。好評でした」。 この自己紹介は、Course N@vi上にコンテンツとしてアップロードされていることで、いつでも好きなときに見ることができる状態になっている。「就活でなかなか学校に来られなかった4年生からは、自宅から3年生の自己紹介を見られたので、どんな学生が加わったのか把握できてよかったという声もありました」。 前期終了後には、5~6人のグループで行う発表を、共同コンテンツ作成という形で実施した。「全員が、学期始めの自己紹介で1度経験しているので、制作やアップロードの操作そのものには、どの学生もある程度の自信を持って取り組めたようです。最近の学生は携帯電話やスマートフォンなどを使いこなす一方で、PCに対しては苦手意識を持っていることも多いのですが、自己紹介という気楽に作れるコンテンツから始めさせたのが功を奏したようです」。 コンテンツに組み込む資料はPowerPointを使って作成する。卒業後、企業などに就職すればPowerPointを使用する場面は多くなるが、大学在学中にはその使用機会があまりない。「人から見ていかに分かりやすい資料を作るか、この時点でPowerPointの扱いに慣れておくことは、学生にとって大きなプラスになるでしょう。今回の試みは、その意味でもいい練習になっていると思います」。自分が話す様子を客観的にチェックできる さらに、Xpert導入で得た一番の収穫は、自分が発表する姿を客観的に見ることができた点にあると、木村准教授は感じている。「自分が話す姿が他人からはどう見えるのか、通常自分では分かりません。その点、Xpertを使って録画してみると、自分でも気がつかなかった口癖や表情、話す速度が適切かどうかなどということを、客観的にチェックできます。そうした自分の癖を知り、少し意識するだけでも、話す能力は各段に違ってきます。Xpertというのは、人前で話すスキルをトレーニングするのにも絶好のツールだなと思いました」。 話し方のトレーニングという意味では、自分の姿を見るだけで木村好美文学学術院准教授「Xpert」をゼミの発表に活用し プレゼン能力の向上に大きな効果

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