事例集Vol.3
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06出席コードが印字されたカードを配布し、学生自身が出席を登録する 理工学術院における情報系基礎教育科目は、1年次から3年次までの各学科の共通科目である。コンピューターリテラシーやプログラミングなど、PCを利用する授業であることから、コンピュータルームの環境整備やTAの配員など、理工メディアセンターがサポート面で果たす役割は大きく、業務量としてもかなりの比重を占めている。 特に出席管理については、従来から理工メディアセンターのスタッフが管理することとなっており、昨年度までは、教場で配布・回収した出席カードを、職員がCourse N@viに入力をしていた。 Course N@viの出席管理機能を利用すると、学生も教員も出席情報を画面上から確認することができるようになる。しかし一方で、一件ずつ手入力する手間の煩雑さに加え、入力ミスもそれなりに発生するため、「出席カードを出したのに出席になっていない」という苦情が寄せられることも少なからずあった。同時に、学生に書かせた出席カードを回収する方法は、明らかに同じ筆跡で複数枚が提出されるなど、不正も見られた。 これらの問題点を解消するため、Course N@viには、2010年度から学生が自ら出席情報を登録できる機能が追加された。 この機能を使って出席管理を行う場合には、教員が事前に「出席カード作成」を行い、その授業回専用の出席カードを印刷して教場で配布する。この出席カードには、科目名、担当教員名、講義名の他に、1枚ずつ異なる番号が「出席コード」として印字されている。学生は授業終了後にCourse N@viにログインし、この「出席コード」と授業中に教員から伝えられた「キーワード」を入力することにより出席情報が登録されるという仕組みだ。出席を登録できる期間や「キーワード」は授業ごとに教員が指定する。システムをうまく機能させるための一工夫も 理工メディアセンターでは、今年度からさっそくこの機能を利用し始めたことにより、職員の入力作業が不要になった上、「出席したはず」という学生からの問い合わせも劇的に減ったという。小林氏が在籍する理工メディアセンター(取材時)は、理工学術院の情報系基礎教育の授業運営を担当している。その中でCourse N@viを積極的に導入したことにより、授業における情報共有や出席管理が大幅に効率化したという。 この出席カードは、登録作業が完了した後も、各自が氏名と学籍番号を書いて保管しておくことになっている。これにより、エラーになって登録できなかったり、学生から問い合わせがあったりした場合にも、カードの提示を求めることで確認できるというわけである。 2010年度前期は初めての導入ということもあり、万が一のトラブルに備えて、教場で出席カードを配布する際に、学生一人ひとりにTAが手渡しし、名前と学籍番号が印字した別紙のリストにも受取チェックを記入させたという。「学生が受け取ったカードを紛失してしまった場合なども、このリストがあれば、確かに受け取ったということを後から確認できます。手間はかかりますが、導入したばかりのこの新システムを周知させ、定着させるためには必要だと判断しました」。 システムをうまく利用するには、運用する側も一工夫するのがコツだというのが、小林氏の考えだ。「基本的な機能が多少使いづらいと感じても、使う側が柔軟に対応することで便利に使えるケースは多いものなのです」。使ってみて不便だった点は、後期からバージョンアップされる見込み 学生自身が登録作業を行うため、システムに反映されたことをその場で確認できる点も好評だという。「以前は、職員がまとめて入力していたために、それが画面上で確認できるまでにはどうしてもタイムラグがありました。その点、この機能を使えばリアルタイムに反映されるので、学生も安心するようです。」 実際に導入してみて困ったのは、その授業を履修登録している人数分しか出席カードの印刷ができなかったことだという。「印刷時に何かのトラブルがあったり、紛失してしまったりして、配布時に不足するケースがありました。さらに、学期の始めの科目登録期間中は、未登録の学生も出席することが多いのですが、その分は発行できません。不足分については、従来の出席票を配布して補わざるを得ませんでした。」 こうした声を受けて後期からは、この出席登録機能に任意で印刷枚数を指定できるオプションが追加されることになっている。 別のトラブル例としては、教員が授業中にキーワードを伝え忘小林良暢理工メディアセンター(専任職員)学生本人による「出席登録」機能の利用で出席管理の手間とトラブルを削減

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