事例集Vol.3
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12BBSと投票機能を利用し、学生主体でテーマを決める インターネットが一般に普及する以前から、いち早くコンピュータを活用した教育研究を行っていた中野教授。現在も担当授業において、Course N@viのあらゆる機能を利用しているという。「新しいもの好きなので、新機能が追加されたと聞けばとりあえず使ってみて、便利なところはどんどん取り入れています。」 Course N@viが有効に活用されている例として、まず最初に挙げたのがBBSの活用だ。中野教授のゼミでは、フィリピンや韓国などアジアの大学とテレビ会議を使った交流を行っている。交流時に相手校とディスカッションするトピックを、あらかじめ日本側の学生同士で話し合って決めるのだが、学生の意見交換の場としてBBSを活用しているという。 たとえば、「韓国人からどんなことを聞きたいか」「日本の社会や文化などについてどのようなことを知ってもらいたいか」などを各自が考え、BBSに英語で書き込む。お互いのトピック案についてBBSでコメントをつけあう形で話し合いを進め、最終的にはCourse N@viの「投票機能」を使ってトピックを絞り込み、上位5つに入ったものを相手校に提案するという流れである。 「教員が介在せず学生が主体的にトピックを決めることで、その後の交流がより積極的に進められるようになります。このゼミでは参加人数が40人程度いるのですが、全員の意見を取り入れてスムーズにトピックを決めることができるのは、BBSと投票機能のおかげです。いろいろな場面において学生主体で取り組ませるには、BBSはとても有効なツールだと思います。」 このゼミでは、学期のはじめにCourse N@viのプロフィール欄に英語で自己紹介文を書かせている。将来の夢や自分の特徴、友だちに知っておいてほしいことなどを書いておくと同時に、必ず自分の写真画像もいっしょに登録させるようにしている。「自分の顔写真に抵抗がある学生は、自分で描いたイラストやお気に入りの場所や物の写真などでもよいことにしています。BBSでの発言時にはその画像が表示されるので、その学生の顔(もしくはその代わりになる画像)が見えることで、文字だけのやりとりに比べて親しみが感じられ、BBS全体の雰囲気がよくなる効果があるようです。」早稲田大学遠隔教育センター所長(2011.3現在)でもある中野教授は、Tutorial EnglishやCCDL(異文化交流授業)など、早稲田大学における「ICTを活用した英語教育改革」を推進してきた実績を持つ。そんな中野教授が、普段の授業においてCourse N@viをどのように活用しているのか。それによりどんな教育効果を挙げているのか、お話を伺った。 基本的にゼミはコンピュータルームで行っており、授業中の話し合いにはチャットを使っている。チャットでの交流は履歴が残るので、後で見返すことができることが便利だという。「チャットは英語タイピングの練習にもなります。いつもやっているうちに、どの学生もどんどんタイピングが速くなりますよ。」提出物はすべてCourse N@viにアップロード 学生が発表を行うときに作成するパワーポイントのデータをCourse N@viにアップロードさせておけば、別途教員宛に提出させなくてもそのまま採点できる。Course N@vi上では、学生同士が互いにコメントをつけ合える点もメリットだという。 その他、教員から出す課題や宿題はすべてCourse N@vi上にアップロードしておき、学生からのレポートなどの提出もCourse N@vi上で行わせている。「目が疲れるときは画面上で文字を大きく表示させることもできるし、教員からのコメントも画面上で入力できます。おかげで、紙を扱うことは滅多になくなりました。Course N@vi経由で受け取ったデータは、ウイルスチェック済みなので、セキュリティの面で安心なのもいいですね。」 Course N@viにアップロードしたコンテンツを元に学習させ、その理解度を試すための小テストも、Course N@viの機能を利用して行っている。「海外出張時なども、これを作っておけば休講にしなくてすみます。問題を作って登録しておくだけで、あとはCourse N@vi上で自動採点してくれる点がとても便利です。」 小テストやレポートなどでは、提出があったときにメールでお知らせする機能を利用することもある。「締め切り前に随時チェックしたいときに利用しています。集まり具合を把握できるし、未提出の学生に対してメールで催促することもできます。」 この通知機能は、小テストやレポートだけでなく、BBSで書き込みがあったときにも届くように設定ができる。これを利用すると、定期的にログインしなくても提出や発言があったことを確認できて効率的だ。もちろん、いちいちメールが届くのが煩わしければ、通知が来ないようにしておくこともできる。中野美知子教育・総合科学学術院教授Course N@viは学生主体の学びを促進し、きめ細やかな対面指導を可能にするツール

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