事例集Vol.2
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Course N@viデビューへの一言!11度は非常に高く、「授業ではなくても、機会があればまたボランティアをしてみたい」という声が多数寄せられた。「Course N@viによる情報の共有を導入しなかったら、こんなに大きな学習効果は得られなかったと思います」。 この授業のように、学生たちがバラバラでフィールドワークを行うようなケースにおいて、その情報共有ツールとしてCourse N@viを導入することは、授業の有効性を大きく左右するといえそうだ。模擬授業をビデオに収録し分析用データとして利用する それまでの経験を踏まえ、昨年、吉永先生が新たなチャレンジとして取り組んだのが、大学院での教師教育プログラムの一環としてデジタルコンテンツを活用することだ。体育の教師教育では、現場で授業をしたり、それを見学したりして実践力を確かめるのが一番だが、実際にその機会を設けることはむずかしい。そこで、学生同士で先生と生徒役に扮した模擬授業を行い、それをビデオで収録。その映像を分析させるという手法を取り入れてみた。「先生は生徒にどんな言葉をかけたかのか。褒めたのか、アドバイスをしたのか、否定的なことを言ったのかという言葉の内容などを、その頻度と共に記録します。いい授業というのは、褒めたり技を修正したりする助言が多いものですが、それがどのぐらい出ているかというのを、観察シートに時系列に記録していくのです」。 映像の分析作業には時間がかかるため、収録したビデオはデジタルコンテンツとしてCourse N@viにアップロードしておき、各自、授業時間外にアクセスして作業をさせた。生徒役の学生が行った授業評価と、シートに分析した授業内容とを比べることで、その相関関係を知ることができる。授業においてはこれらの結果をもとに、ディスカッションや講義を行った。「ノートだけの学習では限界があるので、実践的な力を高めるためにはこの手法は非常に効果的でした。今年は学部の授業にも一部取り入れています」。学部の学生に模擬授業をさせることはできないため、昨年作成した映像を、大学院の学生たちの承諾を得た上で流用し、学部生でも同じような形で分析する力を付けられる授業の形態によって、それぞれに合わせたさまざまな活用法が必ずあるはずです。「自分の授業には合わない」という思い込みを捨てて、まずはトライしてみてください。よう指導を行っている。教育実習に行く学生が、事前に実際の授業に近いものを見てイメージを作れるという点においても、この試みはとても有効だという。 一度作成すれば、次年度以後はそのまま繰り返し使用できるのもデジタルコンテンツのメリットだ。「現在、映像のストックは3本ですが、生徒側の行動に焦点を合わせたもの、器械運動の技術指導の場面など、いろいろなパターンのコンテンツが集まれば、より効果も上がるので、今後はどんどん増やしていきたいですね」。情報の公開・非公開の設定は最新の注意を払うことが重要 このようにCourse N@viを積極的に活用している吉永先生だが、導入当初は苦い想い出もあるという。「Course N@viの前身として運営されていたOIC(Ondemand Internet Class=オンデマンド授業システム)の頃に、採点途中の学生のレポートの点数が間違えて学生本人に見えてしまったことがあるんです。その反省から、今でも非公開と公開の設定には気を遣っています」。 Course N@viで管理される情報は、公開可否や公開範囲を任意に設定できるようになっている。学生に見えると支障のある情報は「非公開」になっていることを確認するなど、あらゆる情報について、その公開設定がどうなっているかを意識しておくことは重要だ。「出席などは本人もチェックできた方がいいので、公開にしたところ、出席率が上がるという効果がありました」。 吉永先生にとって、Course N@viとは「授業の内容を向上させるもの」としての意義が大きいという。「Course N@viを使うことで、さまざまな手間が省けて便利になることも事実ですが、それ以上に、多次元でいろいろなことが可能になり、今までの授業ではできなかったことができるようになります。より大きな学習の成果を引き出すためには、間違いなく有効なツールだと確信しています」。「スポーツボランティア」の授業では、参加学生全員にレポートの内容やレポートに対する担当教員からのコメントを公開することにより情報を共有した。

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