e-TeachingAward Good Practice集
9/48

表示とタイピングをする場所が同じ画面上にあるため、目の往復作業がなくなり疲労度も少なくなる。そんな点も、実際に作業する上で効率的と感じられたようだ。 「画面上にある教科書というと、私たち大人の世代は違和感を抱く部分もありますが、今の生徒たちは小さい頃からゲーム機に親しみ、スマートホンやタブレットなどのデバイスにも慣れています。彼らのようなデジタルネイティブは、画面上だけで作業していくことをまったく苦にしていないですね」。 最近は、高等学院全体としてもCourse N@viを積極的に活用していこうという動きがある。特に、情報の授業では1年生、2年生も非常勤講師の授業も含めてなるべくCourse N@viを活用するよう促しており、コンテンツとして資料をアップロードしておいたり、アンケートを採ったり、レポートや試験に利用したりという使い方が、だんだん広まりつつある。「e-Text環境を用いたこの授業は現在2年目になりますが、全校的にCourse N@viの使用率が上がってきたおかげで、前年度よりもスムーズに使いこなせているように感じます」。各回の学習内容がデータとして蓄積される 授業時間が終了すると、そこまでやった作業内容を各自でMathematicaのノートブックとして保存し、Course N@viのレポート機能を利用して各自のフォルダにアップロードしておく。次回の授業時には、またそれをダウンロードして使えば、その続きから始めることができる。「Course N@viを使う以前は、生徒側では作業中のファイルを保存することができなかったので、基本的には毎回Mathematicaの真っ白な画面にコマンドを打ち込むところから始めていました。ファイルを保存しておきたいという希望があればUSB経由で提出させて、私のPCに保存しておくこともありましたが、ファイル管理を煩雑に感じていました。その点、Course N@viなら自己責任で自分のフォルダにアップロードさせておけるので、私がデータを預かる必要がなくなったのも助かっています」。 このように作業途中の状態をその都度保存しておけることは、継続学習を可能にする。しかも、このe-Text環境では保存した内容が上書きされずに、各回の作業内容がそれぞれ別のファイルとして保存されるため、いつでも前の状態に戻って中身を確認して復習することができる。つまり、1年間の学習内容がすべてデータとしてCourse N@vi上に蓄積されることになる。 「こうした蓄積のコントロールをどのように実現できるかとずっと模索していました。とりあえずe-Textをレポート機能で保存することで、疑似ポートフォリオとして使ってみましたが、最近、Course N@viにポートフォリオそのものの機能があると聞いたので、次年度からはぜひそれを使ってみたいと思っています」。 Course N@viのポートフォリオ機能は、現状は通常の環境ではメニューに表示されないようになっているが、遠隔教育センターに依頼して設定を変えてもらうことで利用が可能になる。これを利用すると、自分が作業したファイルを保存しておくと同時に、それぞれに生徒自身や教員のコメントを付けておくこともできる。これを毎回繰り返すことで、1年間の授業内容の蓄積をひとつの画面から一覧することが可能になり、より参照しやすくなる。 「これからの時代は、教育にもポートフォリオ的な仕掛けが必要になってくると思っているので、これはぜひ積極的に利用していきたいですね。Course N@viの活用法はまだいろいろあると思うので、今後、他の授業でも少しずつ導入していきたいと思っています。生徒たちは聞くだけの授業だと飽きてくるので、インタラクティブな形でやりとりができるような双方向性を活かした形で活用できるといいですね」。情報サイエンスhttp://www.waseda.jp/gakuin/joho/science.htme-Text受講画面履修者の成果物09Course N@vi活用部門賞

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です