e-TeachingAward Good Practice集
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授業用に指定したハッシュタグを添えて文章を投稿すると、このように関連投稿を一覧で読むことができる。これらのサイトは全てCourse N@viから辿れるようになっている。成績に加点するということはしていません」。それでも、匿名だからこそ書きやすいと感じる学生もいる。教員に対して聞きたいことや、発言したいことのある学生にとっては、Twitterの導入により、それが気軽にでき、より学びを深める手助けとなっているといえるだろう。 気楽に使えると歓迎する学生がいる一方で、Twitterを使いたがらない学生もいる。そういう場合は強制することはせず、時間軸ごとに質問が記入できる用紙を準備して代用させている。その紙を授業終了後に回収し、その内容について次回の授業で取り上げることもある。 Twitterに投稿した内容は自分も他人も後から見返すことができるのに対し、紙で提出した場合は他の学生には見えず、自分の手元にも残らない。「控えを残すために、記入した用紙をデジカメで撮影している学生もいるので、公開してもいいと考える学生については、それを画像として投稿させる方法も検討しています」 しかし、できるだけ新しいメディアを使うように誘導したいという意図から、「質問への回答は、TwitterやCourse N@viでの質問が優先で、紙に書いただけではすぐには回答できないということを、学生には伝えてあります」外部ツールの学習履歴もCourse N@viに集めておく この授業では、Course N@vi上のBBSも設置されている。履修生は、Twitterには授業中に思いついたことをリアルタイムに投稿、BBSには授業終了後にある程度まとまった内容を書き込む、というように両者を使い分けているという。Twitterが半匿名状態であるのに対し、BBSは必ず本名が表示されるという違いもある。学生が自分で調べた内容を外部のブログなどにまとめている場合には、Course N@viのBBSにそのリンクがはられていれば、Course N@vi上からそれを参照することができる。 このように、Twitterや外部ブログなど、Course N@vi以外の外部のサービスを利用した場合も、それらの情報がすべてCourse N@viに集約されていれば、学生も教員もCourse N@vi上からそれを見ることができる。また、Course N@viから辿れるようにすることにより、学生がいつ何回サイトにアクセスしたかも全てCourse N@vi上に履歴が残るようになる。「私自身も、終了した授業のTwitterのログを見るときは、Course N@vi上から見るようにしています。昨年の履歴を参照したいときにも、直接Twitterサイトで検索するより簡単に見られますから。」 Course N@viには年々改良が重ねられ、さまざまな機能が備えられている。とはいえ、あらゆることをCourse N@vi上でやろうとしても限界があるだろう。外部にはオープンにしづらいこと、授業内だけにとどめておいたほうがよいものは、Course N@viの機能を利用するのが望ましい。しかし、外部から見られてもかまわない内容であれば、学生が普段から使い慣れた外部サービスを取り入れていくという方法も有効であろう。今回の事例は、Course N@viを利用した方が良い場面と、外部のサービスを取り入れた方が運用がしやすい場面とを、ケースバイケースでうまく使い分けている好例だといえるだろう。 ポイントとなるのは、Course N@vi以外の外部のものを利用したとしても、そこにアクセスできるような道筋をCourse N@vi上に集約しておくということだ。それにより、教員が過去の授業記録を確認できるだけでなく、学生にとっても、自分の学習履歴が蓄積されたポータルサイトとしてCourse N@viを活用できるという意義は大きいはずだ。オンラインツールの活用は学生との双方向性に必須 最後に、TwitterやCourse N@viのようなオンラインシステムを学習に活用することのメリットについて聞いてみた。「学生が分からないことを把握できることですね。私は外で講演会をさせていただくときにもTwitterを使って聴衆の要求を探るようにしています。それができない状態で話をするのは、私自身にとって非常にストレスを感じます」。尾澤准教授自身は、こうしたツールを用いない授業というのはもはや想定できないという。 自分の授業に対する学生からの反応を受け取れるということは、授業の質を向上させるヒントにもなる。意欲のある教員にとっては、モチベーションの向上にもつながることは間違いない。学生との双方向性を重視しようとする授業においては、このようなツールの活用は一つの選択肢として今後さらに定着していくであろう。「今後は、こういうものを使うのが当たり前の世の中になってきます。それに慣れるためにも、学生たちにはぜひ、Course N@viを使いこなしてほしいですね」35Course N@vi活用部門

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