e-TeachingAward Good Practice集
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機させておくこととし、学生には気軽に質問に来てよいと呼びかけている。その結果、質問をしてきた学生の数は、メールやBBSを使うよりも、対面の場を利用したケースが多かった。 「アンケートの結果、実際には質問に来なかった学生の中にも、直接対面で質問できるシステムがあるおかげで安心して受講できたという声が、数多く寄せられました」。互いの顔が見えないフルオンデマンドの授業において、対面でフォローする機会を設けることが、学生の不安解消につながっているようだ。自動採点機能は対面授業でも効果的 2011年度終了時点で、この授業の履修生は2,000人規模となっている。これだけの大人数の授業において、小テストや試験の際に記述式の回答を採点することは不可能だ。そこで、出題方法は、数字を穴埋めさせる形式で解答できるように統一されている。「解答が数字だけならCourse N@vi上で自動採点できるので、人数が多い授業では大変効率的です」。 この自動採点のメリットについては、2012年度からの追加科目を担当する新庄助教も、大いに魅力に感じていると言う。「今まで行っていた対面授業では、小テストを小まめに実施したいと思っても、人数が多いと採点の手間が大変で、実際はそう頻繁にはできませんでした」。今回、このフルオンデマンド授業の準備に参加してCourse N@viの自動採点機能を知り、一足先に対面授業での中間テストにCourse N@viを使ってみて、その便利さを実感したそうだ。 「特に数学の場合、授業を聞いているだけでなく、自分で問題を解かないと力がつきません。授業内には演習の時間を取れないし、学生に自主的にやらせるのもむずかしいのが悩みの種でした」。その点、空き時間にCourse N@vi上で小テストを受けさせる形なら、授業時間にも食い込まず、その結果を成績に反映することで、学生も真面目に取り組む。「小テストを実施すれば、たまたま定期試験で実力を出せなかった学生に対しても、日々の積み重ねを評価することができます。Course N@viの自動採点機能を使えば教員の手間も軽減できるので、オンデマンド授業に限らず、対面授業にもどんどん取り入れていくといいのではないでしょうか」。 数学の場合、解答用の選択肢を用意しなくても数字で解答させることができるので、特に自動採点機能が教員の労力低減に威力を発揮すると言えそうだ。 また、Course N@viを使うと、授業ごとに設定された私書箱で質問を受け付けられる点も便利だと、新庄助教は指摘する。「現在行っている対面授業で、質問のある学生がインターネットで私のメールアドレスを検索して連絡してくるケースがあります。これだと、誰が、どの授業について質問をしているのかを把握できないため、対応しにくいのです。その点、Course N@vi上から送ってもらえばその点が明確になるので、より的確な回答ができます」。オンデマンドを活用した補習用コンテンツに期待 さらに、対面授業でのCourse N@vi活用法として新庄助教が期待するのは、補習用の追加コンテンツの作成だ。授業内で説明しきれなかったことや訂正事項などを、Course N@viにアップしておけば、正規の授業時間を圧迫することなく補足できる。「数学は積み重ねの学問なので、過去に学んだ内容を忘れてしまっている場合には、それを補う必要があります。必要な部分にフォーカスして説明したコンテンツを作成しておき、理解不足だと感じる学生がオンデマンドで各自自由に見られるように用意しておけるといいですね」。 これまでも、補習用のプリントを用意して配付したりしていたが、その都度印刷して配付する手間がかかっていた。Course N@vi上のコンテンツとして作成しておけば、一度作ったものはそのまま残しておける。 「今まではよく知らなかったけれど、Course N@viには対面授業にも便利に使える可能性がいろいろあるなと感じました」と語る新庄助教。今後、入学してきた新入生が、まずこの1万人シリーズを履修することでCourse N@viに慣れるようになると、その他の授業においても、よりさまざまな場面で活用しやすくなっていくことが期待される。権限設定編集画面グループ管理画面で履修者を科目ごとのグループに分け、権限編集設定画面でどのコンテンツをどの科目の履修者グループに見せるのか設定を行う。15オンデマンド授業部門新庄玲子(写真左)メディアネットワークセンター助教高木悟(写真右)オープン教育センター客員准教授

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