e-TeachingAward Good Practice集
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画面が添えられる形式となっている。パワーポイントファイルは資料としてCourse N@viにアップされ、別途これをダウンロードして参照することもできる。 コンテンツは毎週ひとつずつ配信され、学生はこれを視聴し、週ごとに設定された小テスト、もしくはレポートを2週間以内に提出することで出席扱いとなる。15回の授業のうち、原則10回以上の出席が単位修得の条件とされている。 各回の小テストやレポートの課題は、その授業を担当した講師が作成する。選択回答形式の小テストはCourse N@viの集計機能で自動計算され、それ以外の記述式テストやレポートは、採点も担当講師が行う。そして、この小テストやレポートの採点結果を踏まえて、コーディネーターの土田教授が最終成績を付ける。 全授業終了後、2週間の期限でBBSを開設し、授業内容に関する質問を受け付けている。質問への回答は、スタッフが仲介して、該当する講師宛に質問文を転送し、講師からの返信を代理で書き込む形で回答している。どの講師への質問なのか判断に迷うときは、コーディネーターに相談し、回答者としてどの講師が最適かをアドバイスしてもらう。「BBSを最後の期間にしか設けていないのは、1回の授業を聞いて疑問点があっても、次回以降の授業を聞くと解決することもあるからです。どうしても途中で聞きたいことがあるときは、メールで質問を受け付けています」(深澤教授)。このときも、各講師に直接メールするのではなく、事務局宛に送ってもらい、これをスタッフが質問の内容毎にまとめて講師に転送し、もらった回答をそれぞれの学生に返信するという方法を取っている。他講師の講義映像を参考に、重複のないよう配慮してもらう こうした複数の講師による講義を重ねていく授業では、それぞれの講師の話す内容が重複してしまうことがある。収録は基本的に配信順に行っているが、講師のスケジュールが調整できず、前後してしまうこともある。講師には、前年度分も含め、それ以前に行われた講義の内容を見せることで、なるべく重複がないように調整してもらっている。「学生側では一連の授業として受講するので、なるべく流れがスムーズになるように工夫しています」(研究推進部スタッフ)。他の講師による講義や、自身が前回行った講義を後から参照できるというのも、オンデマンドならではの利点と言えそうだ。さらに、授業コンテンツを他の教員に見せるという点では、新しい講師を依頼するときのサンプルとしても役立っているという。 また、オンデマンド用の動画収録時には目の前に学生がいないため、講師は一方的に必要なことだけを話す堅い雰囲気になりがちだ。「なるべく対面授業と同じように、ご自身の実体験や具体例、ときには余談なども所々に入れていただけると、学生たちは臨場感を持って聴けるようです。講師の先生方にはそんなことも少し心がけていただくようお願いしています」(研究推進部スタッフ)。 この授業では外国人の学生が履修することもあるが、日本語能力の不足から提出レポートの出来が良くなかったり、ときには途中で講義を受けるのを辞めてしまったりするケースもあったという。そこで、2012年度から、一部の講義については講師の話す内容を英訳したテキストを資料としてアップロードしておくことにした。また、参考資料を紹介する際も、なるべく英語表記のサイトも含めるなど、外国人留学生への配慮も行っている。「研究倫理の問題は、外国人の学生にもぜひきちんと知っておいてほしいことなので、今後も英文化を進めていきたいと思っています」(研究推進部スタッフ)。 2012年4月、本学の研究倫理に関する情報を一元化した「研究倫理オフィス」というWeb上で、この授業についての概要を公開したところ、他大学や企業など学外からも問い合わせがあったという。「今まさに注目の課題となっている研究倫理問題について、これだけの幅広い一流講師を揃えた授業を構築できたことが注目されているのでしょう。今後は、こうしたICTの仕組みをうまく活用して、早稲田内でももっと多くの学生たちに聴講機会を提供できるよう、検討していきたいと思います」(深澤教授)。「研究倫理概論」講義一覧画面各回を担当する講師は当該分野の学内外専門家講義コンテンツ例(深澤教授担当回)11審査員特別賞

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