第2回 e-teaching Award Good Practice集 2013

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Quizletは単語の学習だけでなく、発音を聞いたり自分の発音をチェックしたり、クイズやゲームを通した学びも可能。期はiPadを10台貸与してくださったので、授業では春学期以上にデジタル教科書を活用できました」。また、デジタル教科書に盛り込んだ内容は、PDFファイルやMP3ファイルの形で、すべてCourse N@viにもアップしている。「iPadを持っていないためiTunes Uが使えない学生でも、PCで同じ内容を閲覧、利用できますから、iPadがないから家で勉強できないという言い訳は通用しません（笑）」。　Course N@viと比較した場合のデジタル教科書のよさは、視覚、聴覚、理論などの情報をひとつにまとまった形で提供できることだとアルベリッツィ准教授は説明する。　「興味を持ったコンテンツを自由に選択しながら学習できて、学生はそれぞれ別のアプリを使っているという感覚を持つことがありません。動画を見る、音声を聞くといった操作のために別々のソフトを開くよりは、明らかに学習しやすいと言えるでしょう」　2013年度春学期終了時のアンケートでは、8割以上が「外国語学習にiPadは役立つ」と答えている。単語学習をサポートするTwitter＋Quizletの活用　単語学習では、Twitterなど学生に馴染みの深いツールも活用している。語彙を増やさなければ語学習得は難しいと、アルベリッツィ准教授は言う。「そのためには、授業以外の時間にも単語学習をする必要があります。Twitterは、通学途中などどこでも閲覧できるので、単語を学ぶのには適したアプリと考えました」　具体的には、単語学習用のTwitterアカウントを作成し、学生たちにフォローさせる。そして、毎日5つの単語をツイートすることで、学生たちがそれらの単語を見て学べるようにした。　実際に運用してみると、好評だった一方、いくつかの課題もわかった。たとえば、Twitterでは投稿がどんどん流れてしまい復習が難しい、また発音がわからないといった声もあった。　そこで、秋学期からいくつかの点を改善。まず、投稿するすべての単語に国際音声記号と例文を追加。タイムラインで流れていくという指摘には、新たなツール「Quizlet」の導入で対応した。Quizletはクラウド型のフラッシュカードサービスで、スマートフォンでもPCでも利用できる。　「Twitterでつぶやいている単語を、毎週Quizletにまとめて掲載しました。Quizletでは、単語帳形式で単語を勉強できるだけでなく、発音を聞いたり自分の発音をチェックしたり、クイズやゲームを通して学ぶこともできます」。さらに、ツイートした言葉や教科書にある単語など約1200語をアルファベット順に収録し、「辞書」として授業でも使用できる。　なお、アルベリッツィ准教授が作成したQuizletのページ自体は誰でも利用できるが、ログインの必要な「クラス」は承認を受けたメンバー（基本的には学生）しか利用できない。プライバシーが保護された環境があるというのも、Quizletならではのメリットだ。　「Quizletに関しては秋学期からの導入で、まだ学生へのアンケートは取っていません。しかし、Twitter以上によく使うという声が多く、高い成果が得られるのではないかと期待しています」学生の反応を見ながら、効果のあるデジタル教材を取り入れる　前述の単語学習のためのツール導入事例からもわかるように、アルベリッツィ准教授は新しいツールの導入後には、学生たちへのアンケートを実施するなどして、その効果や問題点について細かく検討している。「目新しさ」だけで、デジタルツールを導入することはない。　「iPadもスマートフォンも、あくまでツールです。それをどう生かせるかが、教員と学生の双方に問われています」。ちなみに、2013年度春学期に関しては、iTunes Uで配信したデジタル教科書を利用した学生の成績は、（iPadを保有しておらず）利用しなかった学生を上回っていて、確かな効果を上げている。　今後は、発音を音声学的に学習できるように、デジタル教材を生かす検討を進めている。また、iPadなどで撮影して、学生たちに自分のストーリー（日記的なもの）を作成させる取り組みなども予定しているという。　「語学学習はインプットとアウトプットだけでは不十分で、インテイクつまり本当に身につけさせることが重要です。デジタル教材とポータブルデバイスを活用することで、学生たちが効率的に語学を身につけられるよう今後も工夫を重ねていきます」07デジタル教科書は、視覚、聴覚、理論をまとめて提供できることが利点。学習者のペースに合わせた効率的な語学学習を実現。iBooks Authorで作成した「デジタル教科書」。単に紙の教科書をデジタルに置き換えたものではなく、動画や音声などを含みインタラクティブな要素を持つ。

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