第2回 e-teaching Award Good Practice集 2013
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最新のリアルな情報に触れ長所と短所を知り使いこなす この授業では一般的なテキストはなく、教材はすべてインターネットのコンテンツだ。 「検索のテクニックを駆使すれば、前置詞の使い方や表現のバリエーションなど、実際にどんな表現が多く使われているのか、ネイティブに聞かなくても知ることができます」。次々と新しいものが公開されていくインターネット上のコンテンツを教材とすることは、常に最新の情報を授業で扱えるというメリットもある。 ただし、ネット上のコンテンツは必ずしも参考になるものばかりではないため、ネットの使い方や英語表現の善し悪しをどう判断するかについても指導している。「上質な英語が使われているものを上手に見つけて、前後の文脈や使われている状況をよく把握し、自分のものとして適切に取り入れられるようになることが、この授業の最終的な目標です」。 最近の学生はITを使うことには慣れていても、使いやすくカスタマイズされたものしか扱えないことも多く、検索やダウンロードなどはできても、自分から発信していく上での使いこなしは未熟なのだという。この授業の後半では、自らプロモーションビデオを作成するという課題もある。自分から発信する情報を作るという体験を通して、今あるテクノロジーを使いこなす方法を身に着けるとともに、情報を送る側は何らかの意図を持っていることを理解し、受け取る情報を鵜呑みにすることの危険性も学ぶ。学校内の閉じた空間だから安心して授業に活用できる 幅広いネットコンテンツをテーマに扱う立場から、Course N@vi利用の長所を挙げていただいた。「最大の魅力は学校の中という安心感ですね。プライバシーの面でも心配がないし、英語で間違いをしたり、失礼な発言をしてしまったりしても、指導して修正すればすみます」。 冒頭で紹介したBBSへの投稿を、当初は外部のブログサイトを利用して行っていた。しかし、外部から見えないように運用するには、登録や管理方法などを学生に理解させるのに手間がかかったという。そこで、2年目からは外部のブログをやめて、Course N@viのBBSを使用することにした。Course N@viなら、学生自身が改めて登録作業などをする必要もなく、使い方の説明も不要なためスムーズに進められる。 インターネット上に発信してもどうせ他人は見ていないと気軽に考えている学生も多いが、一度掲載したものは修正や削除をしてもどこに残っているか分からないリスクがある。「ITに不慣れな学生もいる中で不安もあったので、閉じた空間という安心感は大きいですね」。 ただし、Course N@viの中だと現実感に欠けるという面もあると指摘する。「ブログ画面のように実際に投稿している感覚が持ちにくいのが残念ですね。安心感とリアリティのどちらをとるかの問題になりますが、やはり授業で使うコミュニティとしてはCourse N@viが適切かなと感じています。」Course N@viのBBS上にネットコンテンツの分析結果を投稿する37

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